‐地獄‐
・・・・・・悪行を為したも者の・・・罰を受けるとされる世界。厳しい責め苦を受けるとされている。
【Wikipediaより一部抜粋】
「まぁ、先生、そりゃそうよね。地獄がお似合いよね。」
と、お思いの患者さんが私の周りに(た、たくさん?)いらっしゃる事は重々承知しておりますです。はい。
そんな方々に最後まで読んでいただき、私のもがき苦しむ姿で少しでも溜飲を下げてもらえればありがたいDEATH。
時刻は17:30
正直、子供と冒険するときは帰りのことはあまり考えません。
だって自力で帰るしかないから。
と子供にはいつも言って聞かせて来ました。子供には。
息子が「お父さんの自転車乗ってもいい?」との提案を。
「30分ならいいよ!」と私。
サドルの調整をしていざ交換。
ん?ん~……………まあいっか。
いつの間にか大人用の自転車にまたがれるようになったんだね。
子供の自転車に無理やり合わせながら30分。
あれ??……………
痛い
・・・・・・・膝が痛い。
・・・・・・・・・・・・・・・・とても痛い。
息子のちっさい自転車をガニ股でひたすら30分漕いでいた結果
「腸脛靭帯炎」
膝付近ノジンタイno反復運動でナンタラカンタラ。
こんなとこで診断しても何の役にも立ちません。
いつぞやの薬局トイレ事件の記憶がよみがえります。
あの時はゴールまで5km、宿泊を挟んでの余裕がありました。
駆け巡る不安と重たい荷物。
しかーし!
今回は治療院御用達マッサージガンを持参!!!
多少重くなっても持っていくべきと考えていた私のお守り。
それを残り50kmの所で早々に一つしかない薬草を使ってしまったのです。
ドラクエで言うならダンジョン入る前に既に黄色状態。瀕死手前。ましてやここには夜な夜な治療に来る鎌倉先生
(伊東先生ブログ参照)もいません(泣)
自力で行けるかな?やるしかないよね!?
色々考えても進むしか方法がありません。
夕暮れを迎え一気に日が沈み始めます。
よくわからない道をゴマちゃんのせいで激重になったリュックを背負い、左手にはマッサージガン、右手はハンドル、
停まったらすかさず写真を撮る。
よくやるよ。
でも、夕暮れ時には毎回ほとんど西へ進むので日没が拝めます。
ただの夕暮れなんですけど、いいんですよね。これが。
息子は毎回写真に夕日を収めています。
どんな気持ちで撮ってるんですかねぇ。。。

いつも見てる太陽も全く表情が違う。朝から見てるしね(笑)
20:30くらい?
川沿いのサイクリングロードに入りました。
真っ暗闇にライト二つ。
聞こえるのは秋を感じる幽かな虫の声。
と、他愛もない親子の会話。だけ。
二人ともハンドルを持つ以外できない手は、switchのコントローラーもスマホもありません。
会話以外することがありません。
朝から晩まで二人で会話をするしかありません。
少しはわかってあげられたかな?
少しはわかってくれたかな??
なかなか確信めいたことはお互い言わないけれど……。
運命共同体の二人は相手の事を思いやりゴールへ向かうしか帰る方法がありません。
膝痛の院長はもはや足に力が入りません。
息子がペースダウンしてくれます。
情けない。
本当に申し訳なく思う。
でもなかなか進まない。
ちんたら走る私に心が折れないよう気遣いをしてくれる。
ありがとう。

この辺りで私のライトがバラバラに。どうしても電池が1本見つからず・・
良い父親なんて幻想です。
いつも良い親でいること自体、あまり意味が無いのかな?とも考えます。
私が自分らしくいることで、子供も自分の世界を作り上げていけるのだと思います。
ホントに良いトコロなんか一つもなかったなぁ・・・。
ただ、「私」が最高に楽しかった。

旅の最後にしか飲まないコーラ。初めて知った。この時は上々ではない。
それだけで人生は上々です!
出発 06:00
帰宅 23:40
距離 124km
10年間 息子 770km
娘 125km
来年で子供と 1000km 行けそうです!

娘が作ってくれたお守り。 矢崎家にはお守りを作る文化があります(^^)
おわり
【おまけ】
いつも妻は子供よりも私の心配をします。
私が病気を抱え20年経ちました。
100年前なら、結婚も子供も仕事もなかったでしょう。それこそ地獄に行ってましたね(笑)
ここに自分の弱みを書くことを悩みましたが、一人でも多くの人が前向きに、楽しく生活を送ってくださるのであれば
いいかな?と思い追記します。
道中で意識がなくなるリスクもあるため、
子供たちにも緊急時のレクチャーをしています。
冒険をする時点でいろんな人の協力がないと立ち行かない旅だと思っています。
ですが、私が楽しみたい。子供と行きたい。そうしたいからリスク承知で毎年行っています。
患者様の中にも、自分の事、家族の事、友達の事。
お悩みの方がたくさんいらっしゃると思います。
私は「痛みを取り除くこと」は手段であって「痛みのない体で何をしたいか?」を常に患者様にはお伝えしています。
個人的には多少のケガやリスクがあっても楽しむべきだと考えています。
ただ、より楽しむために強いカラダと強いココロは必要です。
体に異常がなくても不健康な方が多い世の中ですしね。
私たちに出来ることがあれば何でもします。
素敵な明日を、悔いのない1日を一緒に作って行きたいと切に願います。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
矢崎