骨折、脱臼なんて自分は大丈夫という考えの方も多いのではないでしょうか?しかし骨折は日常生活でのトラブルで意外と簡単に起こります。特に骨が弱くなりやすい50代以降の女性は要注意です。
今回は日常生活で起きやすい骨折と脱臼をご紹介します。
コーレス骨折
コーレス骨折とは、手首の骨の骨折です。転倒し、地面に手をつくことで受傷します。
手首の骨は大きく分けて橈骨・尺骨・手根骨の3つの骨で構成されています。コーレス骨折に分類されるのは、橈骨の骨折です。骨折時の変形の仕方が特徴的で、専門的な用語でフォーク状変形、銃剣状変形と呼ばれています。

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整復の仕方
このような骨折が起きた場合、応急手当として徒手での整復が出来ます。やり方をご紹介します。2人で行う方法です。以下の説明では整復する者を”術者”、整復を手伝う者を”助手”とします。
①患者様は椅子に座って楽な姿勢をとる。
②患者様の肘を90度に曲げ助手に骨折部を固定させる。(この時、患者様の手のひらが地面を向くようにする。)

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③術者は両方の親指を患者の手の甲に、他の四本の指を手のひら側にあて、強く牽引する。

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④牽引を緩めず、両方の人差し指と親指で患者の手を上下に挟むように圧迫し整復する。

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※画像は柔道整復学・実技編 改訂第2版に記載されているものを使用しています。
肩関節前方脱臼
肩関節前方脱臼とは、上腕骨頭と呼ばれる部分が肩甲骨の関節窩から、脱臼してしまうことを指します。肩関節前方脱臼は一度脱臼すると繰り返し安く、受傷後の対応で再脱臼する確率は変わります。
整復の仕方
①患者様は天井向きに寝かせます。
②術者は脱臼している方に立ちます。

③片手で患者様の手首を持ち、もう片方の手で肩の前面をおさえます。
④脱臼している腕を徐々に持ち上げていきます。(この時、腕を常に引っ張りながら持ち上げていきます。)
⑤肩関節の前側に飛び出ていた骨が関節の中に納まれば整復完了です。
整復する過程で神経や動脈の損傷に注意する必要があります。また、何度も整復を失敗していると、患者様の緊張が抜けづらくなり、整復できなくなる可能性もあります。
三角巾の使い方
以上2つの怪我だけでなく、腕に関する怪我では必ずといっていいほど使用する三角巾。使い方を覚えておけば応急処置としても役立ちます。
①三角巾を二つ折りにした状態で腕を包む。
②手前側の布は患側の方へ、奥側の布は健側の方へ回す。
③首の後ろで仮止めをし、長さを調整する。

④肘側に余っている布を丸めて中にしまう。

⑤仮止めした部分を結びなおす。

⑥完成

骨折や脱臼したときは・・・

もし骨折や脱臼をしてしまったときどうすればいいのか。先ずは整形外科を受診してドクターに診断してもらいましょう。状況によっては手術を選択せざるを得ない場合もありますし、軽度であれば上記のような徒手での整復が可能です。特に手術が苦手な患者さまは徒手整復を希望される場合もあります。受信した整形外科のドクターに確認し、自分の希望する治療方法を選択しましょう。

整形外科に行った後は・・・

整形外科を受診した後、リハビリを整形外科で行う患者様もいらっしゃいます。ですが病院が自宅から離れていて通院が難しい場合などは、お近くの整骨院でのリハビリもオススメです。怪我の後は周囲の筋肉や靭帯が固まってしまい、関節が動かしづらくなる事があります。そのようなリスクを減らすためにも、リハビリはきちんと行いましょう。