皆さんは半月板損傷という怪我をご存じですか?スポーツをしている方にとっては、なにかと散見される怪我だと思います。半月板損傷は年齢によって原因は様々ですが、誰しも起きる可能性があります。事前に起きやすい原因を知り予防や当院の施術を含め、半月板損傷についてご紹介いたします。
半月板とは
半月板は大腿骨と脛骨の間にある組織のことをいいます。この組織は外側半月板と内側半月板の2つあり、形はC型をしています。それぞれ関節の安定性と荷重時のクッション作用を担っている大切なパーツになります。 
症状
受傷時には、動かさなくても痛む関節痛、出血や炎症による水の分泌が膝に溜まり、腫脹がみられます。その後膝の引っ掛かり感、可動域の制限(曲げたまま動かない、伸びたまま動かない状態)、急に力が抜けるような膝崩れなど動きに関する症状が顕著に出てくる場合があります。
どんな時に起きやすいか
年齢ごとに起きる原因は変わってきます。小児であれば、先天的に円板状の形を呈する場合があり、通常の形よりも損傷しやすくなります。スポーツ盛んな若年者では、ジャンプや方向転換を行うサッカーやバスケットボール、柔道などに起こりやすいです。また、半月板に付着する靭帯に引っ張られて損傷する可能性もあります。中高年の方では、加齢に伴い半月板の組織が変性することで脆くなり、小さな負担でも損傷しやすくなります。
放置をしていると
半月板の縁には血管が入り込んでいるred-red zone、最内は血管が入り込まないwhite-white zoneがあり、この二つの間にred-white zoneが存在します。損傷の仕方には様々な形状があります。なかでもwhite-white zoneの断裂では血管が入り込まないため、組織の回復があまり見込めません。この状態を放置していると、膝の動きが硬く、狭くなります。さらに関節のバランスが崩れた状態が続くことで、変形性関節症になる可能性が高くなります。変形性膝関節症についてはこちら>変形性膝関節症

膝の動きに制限が見られる場合や痛みが強い場合は、正確な怪我の状態を確認するため、病院でMRIによる画像診断をして頂くことがおススメです。
当院の施術
・受傷当日
治りを良くするためには、適切かつ迅速な対応が重要になります。中でも「POLICE処置」は効果的な応急処置として知られています。
POLICE処置について
P:protection(保護)
包帯やテーピングで患部を含めた周囲を保護し異常動作の制限をします。
OL:Optimal Loading(最適負荷)
早期に最適な負荷をかける事で、修復組織を刺激し、治癒促進をさせます。
I:Ice(冷却)
炎症による痛みの緩和をさせます。
C:Compression(圧迫)
患部の内出血や腫脹を軽減させます。
E:Elevation(挙上)
むくみの軽減を図ることで患部の循環を促します。
・受傷数日~炎症がある場合
マイクロカレント療法
組織の修復を促す特殊な微弱電流を患部に流します。
コンビネーション療法(高電圧療法&超音波療法)
患部の鎮痛を目的とした電気と、浮腫など循環を改善させる超音波を流します。
・炎症が治まったら
温熱療法
患部とその周辺組織全体に温熱を加えることで、血行促進、組織同士の張り付きを剥がして、動きの改善をします。
徒手療法
筋肉を直接手でほぐし血行促進、循環改善、柔軟性を高めます。
予防・リハビリ
セルフケアとして筋力や柔軟性を向上させるトレーニングとストレッチを2つご紹介します。
コチラは大腿四頭筋のトレーニングになります。平らな地面に足を伸ばすように座ります。鍛えたい足の膝裏にタオルを丸めるなどした、クッション性のある物を入れます。それを膝裏で押し潰すイメージで、筋肉に負荷を与えます。関節のバランスを保たせ、膝の怪我を予防します。

コチラは大腿四頭筋のストレッチなります。平らな地面に足を伸ばすように座ります。伸ばしたい足を、もも裏にふくらはぎがつくまで、膝を曲げます。さらに伸ばしたい方は両手を後ろにつくと、より伸びを感じると思います。柔軟性を向上させて、関節の動きの幅を改善します。

症状の段階や強さは人それぞれなので、ご心配な方は一度来院して頂きご相談ください。